
風呂掃除、それは日本のお父さんが担当するであろう家事の1つ。
ってことは古来から言われていることなのは皆の周知の事実として、
そもそも、日常的に行うお風呂掃除といえば、風呂釜にバスマジックリンを5~6プッシュして棒に付いているタワシで擦る。くらいでしょう。
しかし、風呂釜の周りのざらざらした汚れ、カリカリした汚れ、黒カビ、などバスマジックリンでは落ちない汚れが存在しています。
ハウスクリーニングのプロとして仕事させていただいているボクが汚れに対する洗剤と道具を紹介していきます。


前提知識として
語りたがりのボクは話が長いとよく言われるので、結論が見たい人は目次でここは飛ばしてもらって大丈夫です。
前提知識として汚れはなぜ出来るのか。どういう原理で落とすのかについてが分かれば応用が効くし、コツがわかるし、なによりボクがただただ語りたい良い言い訳になる。
黒カビについて
黒カビはなぜ出来るのか。
黒カビの発生条件は高湿度であり、皮脂汚れや洗剤汚れ等の栄養があると発生しやすいと言われています。
お風呂は黒カビの発生条件にピッタリな条件が揃っていると言うわけです。
黒カビに関してはお風呂以外にも発生しているし、他のお風呂汚れとは違い見分けが誰でもつきやすいです。
水垢について
風呂釜の淵や蛇口にカリカリしている汚れありませんか?
カリカリしている白っぽい汚れは水垢です。
水垢は水道水に含まれるミネラル成分が蒸発したあとに残る残地物みたいなものです。
水の硬度によって水垢の出来やすさが変わります。
他にも井戸水を使用しているご家庭ですと水垢が大量発生しているのではないでしょうか。
ボクの住んでいる地域だと水の硬度的に水垢が少ないのですが、車で40分くらい離れた町に行きますと、めちゃくちゃカチカチな水垢が出来やすい水の地域があります。
そのくらい水の硬度によって出来やすさが違います。
湯垢について
この湯垢がお風呂汚れのラスボス的存在。
湯垢はザラザラ、ベトベトしてて見た目は茶色、黄色で風呂の椅子や風呂釜の側面についていることが多いです。
発生条件は皮脂、石鹸カスと水道水のマグネシウムが化合してできます。
一般的に普通の人が落とせる汚れはここまでだと思いますし、ここまで落とせたらお金をもらえるレベルだと思っています。
シリカスケールについて
このシリカスケールはもはや風呂汚れの裏ボス的存在。
これはプロのお掃除屋さんでも落とせない人が多くいます。
そもそも、シリカスケールとはケイ酸化マグネシウム、カルシウムと言われているものですが、なんじゃそらってなると思うので、長ったらしい説明をしますと、
地表や岩石にケイ素と言うものがありまして、それが酸素、水素と化合し、ケイ酸となり、水に溶け水道水として皆様の手元に流れてくるわけです。(ケイ酸には人体に影響なし)
もちろん、そのケイ酸が水道水に含まれているということは、ケイ酸は水道水の中のマグネシウム、カルシウムと化合してしまい所謂シリカスケールになってしまうということになります。
シリカスケールは水で濡らすと消えたように見え、乾くと白いモヤモヤが浮かんできます。
一部ではゴーストとも呼ばれているらしいですが、地元のあだ名的なやつだと思います。正式名称はシリカスケールです。
こいつを落とすのは本当に難儀なんです。
が、前提知識としてはここまで、ここからは各汚れの落とし方を解説していきます。
黒カビの落とし方
黒カビ(ピンクカビ)を落とす洗剤は塩素系洗剤。
おすすめの洗剤はカビキラー、カビハイター等がいいですね。
泡で出る塩素系洗剤ならキッチン用でも基本的に性能は変わらないのでなんでもいいです。
激しいカビにはジェル系の塩素洗剤の「カビとりいっぱつ」
これがコスパが良くて使いやすくおすすめ。
道具は特に必要ないです。
コツはとにかく狙い撃つこと。
すぐには効果が出ないので様子を見ながら30分くらいおいていたら大体落ちてます。
落ちない場合は繰り返し「かびとりいっぱつ」
※塩素系洗剤は酸性洗剤と混ぜるな危険です。


水垢の落とし方
水垢を落とす洗剤はカルシウム職人。
他にもクエン酸などありますが、クエン酸は洗剤の力が弱すぎて使いずらいです。
サンポールを使う人もいますが、こちらは強すぎて金属を痛めてしまいます。
カルシウム職人はクエン酸とは比較にならないくらい強力で、サンポールと違い金属を痛めにくいですので、扱いやすく強力な洗剤です。
道具はプラスチックヘラ、ブラシ、3Mパットがオススメ。
基本的にはヘラとブラシで広範囲は3Mパットを使うのがいいと思います。
ただ3Mパットは傷がつきやすいのでそこは注意。
コツはカルシウム職人は水垢にヒットするとシュワシュワと反応するので、反応したらひたすらコスコスして水で流す。
残っていたらカルシウム職人でシュワシュワしてコスコスの繰り返しです。
※酸性洗剤は塩素系洗剤と混ぜるな危険です。
湯垢の落とし方
湯垢を落とす洗剤は風呂職人。
湯垢にはボクも長年悩まられました。
最初のころはバスマジックリン(中性洗剤)を使っていて、そこからケミクール(アルカリ系洗剤)を使い始め、風呂用ケミカル(アルカリ系洗剤)に行き着いたところ
結局どんな洗剤を使っても物理で削っている感じが否めなく
「もっと湯垢を溶かせる洗剤がないか」
と洗剤を探し回って三千里。
ついに見つけた風呂職人。
使う道具は3Mスコッチとナルビーのスクレーパー
湯垢に対して風呂職人をたっぷりかけて、3Mスコッチで擦るんですが
コツは湯垢に対して傷を付けて風呂職人を浸透させる気持ちで擦ります。
そして、30分~1時間ほど寝かせて再度擦ります。ここで湯垢があまりにも厚すぎる場合はナルビーのスクレーパーで削り、水で流します。
まだ湯垢があるなら繰り返し風呂職人を使います。
初めて風呂職人を使ったときは寝かせてなくて全然湯垢が落ちませんでしたが寝かせるようにしてから分厚い湯垢がドロドロ溶けてくるようになりました。
初めてこの体験をしたときは本当に感動しました。
全世界の人々に風呂職人を使ってほしいと心から思っています。
※酸性洗剤は塩素系洗剤と混ぜるな危険です。
シリカスケールの落とし方
シリカスケールは一般の人だとほぼ落とせません。
落とすとしたら青鬼がいいんですがこの洗剤はめちゃくちゃ危険です。
体に絶対触れないようにゴム手袋は厚手で二重にしましょう。
本当に冗談抜きであぶないんです。
これも3Mのパットを使いましょう。(n回目)
このシリカスケールってのは本当に厄介で掃除屋さんの永遠のテーマでもあります。
日本って環境がシリカスケール生みやすいので日本に生まれてお掃除をしている時点でシリカスケールと向き合わなければなりません。
正直、お高いですが掃除屋さんに依頼するのがいいと思います。
その時は掃除屋さんにシリカスケールを落とせるか確認しましょう。
シリカスケールを落とすのは高い技術が必要ですので、掃除屋さんによっては落とせません。
必ず確認しましょう。
まとめ
以上お風呂の4つの汚れの落とし方でした。
ボクは最初のころお風呂掃除に5時間かけていました。
そこから色々な知識と洗剤を駆使して今では1時間前後で出来るようになりました。
ここで本当にお伝えしたかったのは風呂職人は神だと言うこと。
皆様の自宅のお風呂はどのくらいきれいですか?
ぜひ、新品のようなお風呂にしましょう。